「凪待ち」香取慎吾の狂気と悲哀!あらすじ・ネタバレ・感想【最新】
「孤狼の血」の白石和彌監督が、香取慎吾を主演に迎えて描くヒューマンサスペンス。
「クライマーズ・ハイ」の加藤正人が脚本を手がけ、人生につまずき落ちぶれた男の喪失と再生を描く。
無為な毎日を送っていた木野本郁男は、ギャンブルから足を洗い、恋人・亜弓と彼女の娘・美波とともに亜弓の故郷である石巻に移り住むことに。
亜弓の父・勝美は末期がんに冒されながらも漁師を続けており、近所に住む小野寺が世話を焼いていた。
人懐っこい小野寺に誘われて飲みに出かけた郁男は、泥酔している中学教師・村上と出会う。彼は亜弓の元夫で、美波の父親だった。
ある日、美波は亜弓と衝突して家を飛び出す。亜弓は夜になっても帰って来ない美波を心配してパニックに陥り、激しく罵られた郁男は彼女を車から降ろしてひとりで捜すよう突き放す。
その夜遅く、亜弓は遺体となって発見され……。
「くちびるに歌を」の恒松祐里が美波、「ナビィの恋」の西田尚美が亜弓、「万引き家族」のリリー・フランキーが小野寺を演じる。
凪待ち 2019年6月28日
◆「凪待ち」ここがみどころ
去年の「止められるか、俺たちを」で、時代の熱気と哀しさを魅力的に描いた白石和彌監督の最新作。
今年、すったもんだの末に公開された「麻雀放浪記2020」でも、ぶっ飛んだ設定の中に場末の風俗のエネルギー、勝負師のおかしくも哀しい情熱的な生きざまを見せて、日本映画界で今いちばんワクワクさせてくれる監督です。
今作は、ギャンブル依存症の男が大切な人を失って墜ちていく、どシリアスな物語のようで、予告編に漂う切羽詰まった緊張感にとても惹かれました。
日本映画の大作人間ドラマだと、最近は特に原作ものが多い気がしますが、「凪待ち」は映画オリジナルだというのも嬉しいです。
主人公を演じる香取慎吾は、若い頃の演技はどうも個性を持て余してるような印象でしたが、これまでと全く違う狂気と悲哀を感じさせる表情をしていて、業にまみれた人間の重みを見せてくれるのではないかと期待してます。
そのほかのキャストも、西田尚美、リリー・フランキーといったベテランが、人情味溢れる人柄を見せてくれるのにも期待大。
そしてもう一人、黒沢清監督「散歩する侵略者」で、ふてぶてしい存在感と鮮烈なアクションで度肝を抜いた若手女優、恒松祐里が、新しい一面を見せてくれそうなのも楽しみです。
実力ある作家と魅力的なキャストが集まった、今年の注目作のひとつだと思います。
◆「凪待ち」みんなの感想
◆「凪待ち」ネタバレ感想
ギャンブル依存症の木之本郁男(香取慎吾)が主人公。
同居して5年になる恋人家の都合で、恋人の実家に引越しを余儀なくされます。
良いきっかけだと思い、郁男は真面目に生きようとする。
しかし、郁男の周りで不幸が次々と襲いかかる。
郁男の心はどんどん荒んでいき、自暴自棄に。
そんな郁男に手を差し伸べたのが、恋人の父親と恋人の娘でした。
殺害と犯人、ギャンブル依存性、会社の売上金疑惑などこれでもかというくらいに不幸が襲いかかるので、R指定がかかっている映画館で観ました。
恋人の父親が漁師だったこともあり、郁男の心の中が穏やかになることを「凪」に例えているのだと思います。
ただひたすら「待つ」しか郁男の心は変わらない。
そのために恋人の父親と恋人の娘だけが郁男の理解者なのです。
果たして郁男の心を変えることができたのか。
デートで見ることはオススメできません。