ネリ無期限資格停止で問題解決か?井上尚弥との試合は?
山中慎介破ったルイス・ネリへの批判の声は、いまだおさまる気配がありません。
山中対ネリはボクシング史上最低の試合だったとの声も出ています。
ネリの無期限資格停止、ファイトマネーの支払いストップと素早い対応を行ったWBCですが、これで問題は
解決したのでしょうか?
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ボクシングの階級とルールの厳正化
今回の山中慎介vsルイス・ネリ。
ボクシングファンが注目したこのリベンジマッチは様々な遺恨と問題点を残しました。
テレビ放映やチケット払い戻しなど興行的な問題があるから戦わざるを得なかったのかも知れませんが、あの試合はもうボクシングではなかったとの声もあがるほどひどいものでした。
2階級違うとパンチの威力が全然違います。ボクシングに階級分けがあるのはそのためです。
今回のように減量に失敗しても試合をすること許してしまったら、階級分けの意味が全くないと言えます。
このような興行的な部分を優先したやり方を続けているとボクシング自体が衰退するんじゃないかと思ってしまいます。
WBA世界ミドル級王者の村田諒太選手(32)も計量失敗やドーピング違反の選手は2度と使わないぐらいのルールを設けないとボクシングという競技が衰退すると明言しています。
「僕も相手が(ミドル級で2・5キロオーバーの)75キロやったらやりたくない。でも興行をつぶすわけにもいかないし、逃げられない。その中で戦う男と、体重オーバーして勝ってる男とどっちがかっこいいか。ボクサーだからわかる恐怖に負けずに戦った山中さんはかっこいい。それだけ」と敗者となった先輩をたたえました。
と同時に、「計量のルールを厳正化しないと、どっちにしろ、しこりが残る。計量オーバーして興行にならないようになるなら、訴訟でも起こせるとか、システムを変えないと。何かを起こしたら厳罰化するとかしないとボクシングが衰退してしまう」と語っています。
ネリ本人の心境は
ネリ本人は今回の件をどう思っているのでしょうか。
昨夏に山中選手から王座奪取した直後のドーピング疑惑、今回の調印式でのメキシコ製グラブ拒否、そして王座剥奪と騒動を繰り返したルイス・ネリ。
体重超過について「山中や日本のファンに申し訳ない」と謝罪。
しかし「私は無敗を守った。失った王座は勝って取り戻せばいい。またバンタム級で、また日本で戦いたい」と全く悪びれた様子を見せていない姿に腹立たしさを覚えます。
このまま何のペナルティーも受けずネリを許しては、階級制で行うボクシングの根幹を揺るがす事態になるでしょう。
現在のボクシング界の問題点を改善しなければボクシングファンは幻滅し、ボクシングから離れていくことでしょう。
「今回の山中vsネリの試合を見て本当にボクシングが嫌いになりました…真剣勝負のプロの世界でこの様な事が起きてもいいのでしょうか?」
「山中とネリの試合の気持ちのモヤモヤが未だに取れない。今後ボクシングみないレベルでトラウマになった」
このような意見を持った人も多いようです。
このようなことが続けば、本当にボクシングを見るモチベーションがなくなりファン離れが進むことは間違いありません。
日本人だけでなく世界のボクシングファンも怒り
米メディアも「2度の疑惑の勝利で偉大なファイターとしてのキャリアを汚した」と今回の件を大々的に批判しています。
山中選手が2ラウンドTKOでレフェリーが試合をストップ。リング上で山中選手が治療を受ける横で、大喜びするネリとその陣営。
この光景に、日本だけでなく海外のボクシングファンも不快感を感じたようです。
「ルイス・ネリの喜びを見るのは本当にイライラする。彼は不可能を成し遂げたかのように喜んでいる。状況を鑑みれば、かなり可能だったのに」「これ以上に汚れた2勝はなかなか手にできないだろう。彼らの信頼性と責任能力はゼロのようだ」「彼は私のお気に入りシンスケ・ヤマナカを2度も倒した。どちらもインチキで、だ」「ルイス・ネリは今や民衆の敵ナンバーワンに」「ヤマナカのような一流のチャンピオンにこんなことが起きるなんて。ルイス・ネリは終わっている」「WBC、頼むから正義を行ってほしい。ルイス・ネリにベルトの挑戦権を与えてはいけない。(ゾラニ・)テテとイノウエの試合を実現させてほしい。ネリは恥辱だ」「ルイス・ネリはジョークだ。彼を同国人と呼ぶのを私は恥じる。彼は出場停止と罰金を支払うべきだった。これに加担した誰もが自分を恥じるべきだ。彼のインタビューは本当に恥ずかしかった」
このように世界中のボクシングファンをがっかりさせ、同じメキシカンからの批判もあるほど今回のネリの一連の行動への批判が高まっているのです。
山中の敵討ち!ネリに制裁を!井上尚弥への期待
ボクシングファンの間では一階級上のバンタム級に転級するWBO世界Sフライ級王者「モンスター」井上尚弥選手(24 大橋ジム)に山中選手の敵討ちを望む声が多く聞かれます。
しかしJBC(日本ボクシングコミッション)が今回の件でネリの日本上陸を禁じたため、少なくとも1年は井上尚弥vsネリというカードは実現不可能なようです。
JBCの安河内事務局長は「1年後にネリの状況を見て、さらに招聘禁止期間を延ばす可能性もあります」とも語っています。
多くの人が望む井上尚弥選手vsネリ。
もし実現すれば果たして結果はどうなるのでしょうか。多くの方がこの注目のカードを予想しています。
かなり接戦ですが、井上が勝つと思います。
総合力を考えた場合、井上が上回っていると思いますが、ネリとの相性が良くないと思うからです。
井上は総合的にどの能力もすごく高いですが、そのなかでは、接近戦を苦手としています。
これまでの試合を見ていても、井上が相手のパンチをもらってしまう時はいつも接近戦です。
対してネリの強みは、相手に接近した距離で回転力を生かし何発も強打を連打できることです。
山中戦でも、あの山中のするどい右ジャブをかいくぐって自分の距離まで近づいてきました。
ネリはディフェンスも上手なので井上のストレートのような左ジャブを避けながら自分の距離まで縮めてくるかもしれません。
ただ、井上は山中と違いガードをしっかり上げてディフェンスすることができます。
なのでネリの距離に持ち込まれても一方的に被弾し続けることはなく一旦ガードで固めて受け流すことが出来ると思います。
ステップワークで持ち直し再度、自分の距離まで持ち直せるでしょう。
いい勝負になると思いますし井上が被弾してしまうのは避けられないと思いますが
総合力で圧倒し、井上が勝つと思います。
井上選手との相性は良くないようですが、接近戦を得意とするネリをうまくさばき、自分のペースに持ちこめる強さが井上選手にはあるはずです。
自分は井上の圧勝だと予想します。
先日の山中との試合ではネリが強いというより、山中が衰えて動きに全く精彩がなくあまりにも打たれ弱かったという印象です。
言い方は悪いですが、山中が余りに弱すぎてネリの実力は測りかねます。
対して井上は自分が幼少期からずっとボクシングを見続けてきて間違いなく日本史上最強のボクサーだと思っています。
ネリは26戦無敗ですが、井上が前回倒した挑戦者は無敗ではないですが、31連勝中の相手でした。
動きだけを見て自分は圧倒的に井上の方が強いと思います。苦戦もせず、KOで勝つと思います。
元プロボクサーの方の専門的な意見なので信憑性があります。
しかし井上尚弥選手との試合自体をさせるべきでないという考えもあります。
ネリというボクサーは今回の大事なタイトルマッチの試合で簡単に体重超過をしてしまうくらいの人間。
そんないいかげんな相手、言い方は悪いですが「インチキな人間」とまともに対峙する必要はないのではないでしょうか。
ネリのような人物を相手にすることで井上選手の今後のボクシング人生が狂わされるてしまう危険性があります。
今回のような山中選手のような件をさけるためにも見てみたいという気持ちよりもネリとは関わらない方が得策かもしれません。
ネリに下された制裁ファイトマネーストップ・無期限の資格停止
WBCが今回の件を「受け入れがたい」としてネリに無期限の資格停止処分を科すと声明を発表しました。
さらにプロモーター同士の話し合いで決まるファイトマネーですが、ネリへのファイトマネー支払いを待つよう指示、そしてネリへの罰金などの処分を検討しているようです。
ネリはボクシングをする資格が停止された上に、肝心のお金も入らないという厳しい処分をくだされました。
体重超過しても普通に試合が出来て普通にファイトマネーが貰えるというシステムから少し前進したかのように思えます。
出来るなら試合前にこの判断が欲しかったという気持ちでいっぱいです。
しかしこういった処分が下っても、WBC以外で試合出来るならあまり意味ないのです。
主要4団体(WBC、WBA、IBF、WB0)が足並みを揃えて、統一ルールの厳格化を進める必要があります。
第二、第三のネリが出てこないように、薬物も計量もグローブ内の仕込みも、一切の不正が出来ないルール改正の徹底化を全団体に心から強く望みます。
さらに団体は勿論、テレビ局や興行主も今回の件を機に、今後は仕組みを根本から変えてほしいと思います。興業も大事だとは思いますが、以上に選手が大事ですし、選手を大事にできないようならボクシング自体が廃れていくことになるでしょう。
山中選手には他のまともな選手とラストマッチをして欲しかったという思いが残ります。
悔しい思いを抱えながら、明らかに不利な相手に挑んだ山中選手。
本当に尊敬に値する偉大なチャンピオンだったと思います。本当にお疲れ様でした。
大好きなボクシングという神聖なスポーツの発展のためにも今回の件が無駄にならないことを望みます。
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